約 5,047,508 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1031.html
戦うことを忘れた武装神姫 その33 その日、エルガは朝からご機嫌ナナメだった。 久遠の目覚まし当番だったが、目覚まし時計と間違えられて思いっきりぶっ叩かれた。 ・・・けれど、いつもと違う起こし方をしようとした自分が悪いと思って諦めた。 朝のデザートにと、昨夜残しておいたプリンが無くなっていた。向こうでリゼが食べている。。。 ・・・けれど、自分のものである目印を付け忘れた自分が悪いと思って諦めた。 久遠は休日だったけれど、持ち帰った仕事で手一杯。 シンメイとリゼはかえでのところへ遊びに行ってしまい、イオは日溜まりでウトウトするだけ。 だれも遊んでくれない。 ・・・けれど、あらかじめ皆に遊びたいことを伝えていなかった自分が悪いと思って・・・。 えぐっ。。。 えぐっ。。。 台所の片隅、インスタントコーヒーの瓶の陰で、こみ上げる寂しさを抑えきれず独り涙をこぼすエルガ。 なんで、なんでにゃーだけが・・・。 涙が膝頭を湿らせ始めたその時だった。 「エルガ、こんな所で何やってるんだ。」 突然の声に振り返ると、そこにはコーヒーの瓶を手にした久遠。 「お前も一緒に飲むか? ・・・っと、お前はココアの方が好きだったよね。」 ココアの瓶を取ろうと伸ばした久遠の腕に、エルガは思いっきり飛びついた。 「えぐっ・・・にゃーさん・・・にゃーさーーーん!!」 「お、おいおい・・・どうしたんだ。」 「うにぁ~~~!!!」 久遠は、わんわんと泣じゃくるエルガを左腕に付けたまま、右手のみで器用にコーヒーとエルガサイズのココアを用意しテーブルに並べた。 「ほら。もう泣くなって。」 テーブルに座ったエルガは肉球の描かれたエルガ専用のカップを受け取り、冷めているのにまだふぅふぅと冷ましながらココアをすする。 ・・・テーブルに乗せた久遠の左腕にもたれながら。 時折、しゃくるのが腕に伝わる。 そういえばこの数日、全然かまってやれなかったっけ。 「なぁ、ちょいとムサコに行かないか?」 「にゃ?」 「・・・退屈だろ。 ウチも仕事ひと段落付いたから、散歩がてら行ってみよう。 イオも暇そうだから、いっそバトルごっこなんてどうだ?」 エルガの瞳が大きく輝いた。 「にゃーん! いく、行くの!! ね、今すぐいこう! にゃーん!!」 「ちょっと待てっ! さすがにこのスタイルでは外に出られないって。 こら腕毛をむしるな!!」 「にゃーさんとおでかけ! にゃーさんとおでかけー! 久っしぶりのバトルごっこ~!」 先までの落ち込みはどこへやら。 元気を取り戻したエルガは、ヨレヨレのシャツにトランクスだけというスタイルの久遠の腕毛をぐいぐいと引っ張っていた。 それから1時間後。 ムサコ神姫センターに、エルガとイオを連れた久遠の姿があった。 4階のレンタルスペースに陣取り、イオの装備やらエルガの装備やらを展開。 「たまには・・・バトルごっこもいいですねぇ。」 自慢の装備を背負いつつ、イオが楽しそうに呟いた。 「にゃっはー! 今日はまけないよー!!」 今日のエルガの装備は、白を基調として所々に萌黄色が配されたのっぺりとした感じ。ファンビーの代わりに小窓の付いた大柄な盾が付き、脚にはなにやら走行装置のようなものも。CTaから渡された試作ユニット、コード「HTK110-200」だとか。ヘッドユニットも角ばり、どことなく「強さ」の強調されたデザインになっていた。 「張り切るのもいいけれど、ふたりとも程々にね。」 久遠はオペレーターの兎子・コリンに声をかけて筐体内を台所に変更、ふたりが「遊び」やすい環境とした。 構築されたところで、装備を終えた二人を中型筐体のCMU-301へと運び入れる。 土曜ではあるが、まだ午前中とあって客は数えるほどしかいない。これなら順番待ちを気にすることなく、好きなだけ存分に遊ばせる事が出来る。。。 フィールド内を所狭しとかけまわるエルガとイオを眺めて、時折手を振るエルガに身振り手振りで応えつつ。 缶コーヒー片手にまったりと時を過ごしていたとき。 「ういっす! 久遠さん!!」 珍しい声が傍らから響いてきた。 「あれぇ・・・ドゥルシラ?」 「どもっす! 今日はドクターが研修なんで、その間ここで暇つぶししてるっす!」 ドゥルシラはいつもの装備とは違う、きれいに洗濯されたツナギを着用していた。 訊けば、浅川さんが出かける途中にここへ預け、夕刻の帰り際に迎えに来るとのこと。 「でも・・・。」 「?」 「あたしもバトルしたいんすけど、規約で『おうなぁ』がここに居ないからできないっす。」 どうやら浅川は、細かな規約までは知らなかったらしい。 ドゥルシラはため息混じりに、自らの装備の入った袋 -バイクメーカーのロゴ入り- を傍らから持ち上げた。 「うーん。 ・・・そうだ。 なぁ、ウチのエルガと模擬戦してみる?」 「えっ!! エルガさんとバトルっすか? ドクターが居なくてもできるんすか?」 「何とでもなるから。」 そう言うと、久遠はイオとのごっこが一段落して休憩しているエルガを呼び、一言二言。 オペレーターのコリンにも何かを伝え・・・エルガ・イオと共に戻ってきた。 「いいってさ。 さっそくやろう。」 事も無げに、手を差し出す久遠に驚きを隠せないドゥルシラ。 「にゃーさんはね、ここでは『カオがでかいひと』なんだよー。」 「こらエルガ。 それを言うなら『顔が利く』ですよ。」 「うにゃー、ちょっと間違えただけなのー。」 「でかくても別にいいから。ささ、2人とも装備を整えて。」 久遠に促されて、エルガは再びフル装備に。 ドゥルシラは、自慢の複砲・・・すなわちダブルキャノンスタイルとなった。 砲にバックパックと、併せると相当の重量があるはずだが、 「時々、ドクターとここには遊びに来るんすよ。 ・・・閉店間際ばっかっすけどね。」 事も無げにひょいと立ち上がる脚力。日々の仕事で鍛えられた成果なのだろうか。 「へへーん、相手が誰でも、にゃーは負けないよー!」 キャッキャと楽しそうなふたりを手に乗せて、筐体の中へと運び込む。 フィールドは、倉庫街に変更されていた。 ・・・どうやらコリンが気を利かせて、ふたりがまだ試したことのないフィールドを設定してくれた模様。 シールドが閉じられ、 セットポイントに着く。 ・・・バトルスタート。 倉庫の陰から、脚に取り付けられた駆動装置で勢いよく飛び出したエルガに対し、スコープを下ろしたドゥルシラはさっと弾種を変更し、落ち着き払った様子でコンソールを操作。バックパックから二脚だけだして踏ん張るスタイルにすると、右は大きく俯角をとり、左は地面スレスレを狙い、同時に・・・ 「・・・ファイアッ!!!」 猛烈な衝撃なれど、微動だにすることなく弾が発射された。 高く打ち上げられた砲弾に不敵な笑みを浮かべいざ飛びかからんと豪快なジャンプを見せたエルガだったが、 「にゃっはー! どこを狙っているの・・・うにゃあぁぁ?!」 直後に後方で弾が炸裂。爆風により受け身を取る間もなく、エルガは地面に叩きつけられ豪快に滑走。 ・・・低く撃ち出された左の砲弾は地に接して跳弾となり、エルガのちょうど背後にて信管が作動するというドゥルシラのちょっぴり高度な技が見事成功。。。 なんとか痛みをこらえて立ち上がったエルガに、こんどは上方に撃ち上げられていた砲弾から子爆弾が雨あられの如く降り注いだ。 「ぎにゃぁ~~~!!!!」 模擬戦用弾とはいえ、ダメージは相当のもの。 幸いにも手に装備していた盾でなんとかガードするも、それが精一杯。 子爆弾の雨が落ち着いたところで顔を上げれば、真っ正面にドゥルシラ・・・両の砲から、炸弾が発射された。 どどーん。 やはり模擬戦用弱装弾であり、ひらがな表記が似合うマヌケな爆音が響く。 埃がおさまると・・・そこには目を回したエルガ。 「にゃは、にゃひゃひゃ・・・。」 フィールドの様子に、久遠も、イオも、頭を抱えていた。 「ばか・・・相手の装備をハナっから見ているんだから・・・」 「それでも真っ正面から突撃するのは・・・流石はエルガですね。」 「いやイオ、それちょっと違うから。 ・・・どうする? 行く?」 ちょっと申し訳なさそうに眉間にしわを寄せるドゥルシラからエルガを受け取りながら、久遠はイオに尋ねた。 「もちろんです。 いいですよね? ドゥルシラさん。」 「で、でも・・・エルガさんが・・・」 「大丈夫大丈夫。 見た目以上に頑丈だから。 エルガはウチが看ておくから、好きにやっておいで。」 久遠に促されて、ドゥルシラとイオは筐体の中へ。 セットポイントに着くや否や、ドゥルシラは先までの遠慮はどこへやら、飛び上がったイオめがけて、誘導弾をバンバン打ち出していた。 まだ目を覚まさないエルガを手に乗せて、久遠はドゥルシラとイオの模擬戦を眺めていた。 ・・・イオは、久遠家ではリゼと並んで「実戦」に長けている神姫、ドゥルシラはいきなり劣勢になった。襲い掛かる誘導弾を次々に撃破、軽々と片手でLC3をかまえ、カーブミラーを用いた反射攻撃を仕掛ける。 球面鏡なので拡散してしまうが、目潰しには十分。 高性能スコープが仇となり一瞬視界を奪われたドゥルシラだったが、補助レーダーが自動反応、接近するイオに向けて地対空豆砲を放出。 イオは慌てて空中急制動をかけるも間に合わず、少なからずダメージを負った。 久遠もドゥルシラの動きに感心。。。 「ほうほう・・・ドゥルシラもずいぶんとやるもんだ。 イオとタメ張ってバトルできるとは。」 ・・・とはいえ、経験に関してはイオがずっと先輩格。 先のような反射攻撃のみならず、構造物を用いた視覚トラップを駆使し・・・やがてドゥルシラは倉庫の脇に積まれたコンテナによって自由な射角を取ることができない場所へと追いつめられた。 がん、がらがらら。 上方から、ドラム缶が数個落ちてきてドゥルシラの目前へ。 積み上がったドラム缶を撃ち抜けば突破口は開けるが、間違いなく自らも大きくダメージを受ける・・・と。 気配を感じ見上げた、コンテナに切り取られた空には・・・ 「チェック・メイト。」 イオが、ニコニコとした笑みを浮かべながらLC3改を構えていた。 驚き半分、感動半分。ドゥルシラは蒼い空を背に浮かぶイオの姿に憧れに似た感情を抱きつつ、白旗を揚げた。 「いやぁ、いい経験になったっす! どうもありがとうございまっす!」 「いえいえ。 こちらも楽しめましたから・・・あ、あら?」 シールドが解除されて、和気藹々と筐体からでてきたイオとドゥルシラが見たものは。 >>驚きの光景は、その34にて!>> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/floss/pages/24.html
Wikiとはウィキペディアだけのことではない。このアットウィキで作られたFLOSS全般WikiもWikiの1つ。 ウィキペディアはMediawikiというウィキソフトウェアをベースにしており、アットウィキはpukiwikiというウィキソフトウェアをベースにしていたという。 Wikiの例 ウィキペディア - 言わずと知れた有名なWiki。 ユアペディア FLOSS全般Wiki - このWikiのこと。 Wikiを提供しているサービスの例 ウィキア - Mediawikiベース。 アットウィキ - Pukiwikiから派生しあっとフリークスが独自に改良したもの。 Wikihouse - Pukiwikiベース。 Wikiwiki.jp - Pukiwiki Plusベース。 livedoor wiki ウィキソフトウェアの例 Mediawiki Pukiwiki Pukiwiki Plus
https://w.atwiki.jp/wiki6_yoru/pages/5.html
Wikiなんだから…… Wiki記法!Wiki記法!
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1153.html
蒼天にて、星を描きし者(中編) 会話によって、敵神姫……狛恵さんの砲撃は、一旦止みました。ここから わたしは反撃を開始しましたの!腰のジャマダハル・ライナストを抜き、 片膝立ちのポーズで構えて……じっくり狙いを、定めますの。そしてっ! 「“放て”、ライナストッ!」 「うぁっ!?ぷ、プラズマライフル……まさか、あのサイズで!?」 「ただの剣だと思っちゃいけませんのッ、フィオナ!」 『Yes,sir(了解しました)』 わたしの剣から放たれた雷撃は、手にあった銃器を吹き飛ばしましたの。 その隙にフィオナはUFOの様な姿から、銃を持つ騎士の姿になります。 この銃は、“ジェスター・フィギュア”の背部ブースターが変形した物。 あくまでも“アルファル”は、己の躯のみで神姫を助ける存在ですのッ! 「さぁ、撃ち合いといきましょう。お互い全力ですの、ね?」 「受けて立ちますッ!ドラドラドラドラドラドラドラドラァァッ!!」 「フィオナ、徐々に距離を詰めます!付いてきて下さいですのッ!」 『Yes,sir(お供しましょう)』 ここからは、正真正銘真っ向からの撃ち合いですの!服の中に仕込まれた 急速移動ブースターを駆使して砲撃をかいくぐり、雷撃を打ちますのッ! フィオナも同様に、全身のブースターを使って揺れる様に攻撃を避けつつ 手に握られたリニアレールガンで、狛恵さんの装甲を徐々に削りますの。 砲撃姿勢が災いして、あちらは避けるより撃ち返す方が多い状態ですの♪ 「くっ、ぐ……なんの!こっちのぷちモドキは、一撃が弱いです!」 「……流石に、サードとは言えトップクラスだと分析も冷静ですのっ」 「どういう理屈かは知らないですけど、所詮はぷちッ!ドララァッ!!」 「フィオナに、弾薬が……!大丈夫ですの!?」 『No,sir(ご心配には及びません)』 とは言え流石に強敵らしく、距離をあちらも詰めてきましたの。しかも フィオナがぷちの系譜である事を見抜いて、そちらを牽制しつつ……。 これはわたしに取っての勝機であり、あちらにとってもそうでしたの! こちらがフィオナに気を取られた瞬間、狛江さんは分解して隠していた 剣を組み立て、斬りかかってきましたの!これは……避けられない!? 「ぷちの心配を、している場合ですかっ!せぁぁっ!」 「え!?きゃうぅっ……!!痛……しまった!?」 『ロッテッ!?』 四脚の強みを活かしたチャージングで、わたしは吹き飛ばされましたの! フィオナと距離が空き、狛恵さんと互いに剣を突きつけ合う体勢です…… けど、わたしは尻餅を付いたままですの。このままは正直不利ですのッ。 でもわたしには、この状態でも十分な算段がありましたの……何故なら! 「所詮、ぷちに頼った戦術になんか慣れていないですよ!天使型は!」 「……フィオナをただのぷちと思っちゃいけませんの、フィオナッ!!」 『Yes,sir(すぐに救援します)』 「……え?ぷちが、サーフボードみたいに……変形して!?うわっ!?」 わたしと深く繋がり、痛みを共有出来る彼女は……立派な相棒ですから! そのフィオナはサーフボード形態“サーファー・フィギュア”に変形し、 地面をホバー滑走して、狛恵さんを薙ぎ倒してくれましたの♪わたしは、 飛んできたフィオナに掴まって距離を十分取り……報復に移りましたの! 「フィオナは、わたしの為に生まれてきた唯一無二の相棒ですのッ!」 『Yes,sir(御意志に沿いましょう)』 「いたた……って、え!?今度は、サーフボードが……キャノン!?」 掴まっているわたしの手中で、盾の様なボードは一瞬で分裂しました。 中心のドラム型フレームを軸にアームで繋がった部品が組み換えられ、 フィオナは瞬時にバイポッド付きのレーザーキャノンになりましたの! それと同時に、推進に使っていたエネルギーが全て砲撃に回されて…… ポップアップしたレーザーサイトも、狛恵さんの腹部を捉えましたの! 「“スナイパー・フィギュア”、ターゲットロック……フォイエル!」 『Yes,sir(レーザー集束完了、発射します)』 「う、うわぁぁあああ~っ!?う、く……UFOが人型になって……」 「そしてホバー式のサーフボードから、ロングレンジライフルですの♪」 若干弧を描いた光の槍が、狛恵さんをシールドごと吹き飛ばしましたの! 出力としてはLC3に若干劣りますけど、それでも狙撃には十分ですの。 むしろ“専門分野”に劣る性能を使いこなす事こそ、アルファルの真髄! それを示す為にわたしは、ライフルを天高く放り上げて変形させますの。 「そのぷちは、一体……一体、なんなのですかっ!?」 「ぷちじゃないですの。“アルファル”は、わたし達の為にある騎士!」 『Yes,sir(受け入れ態勢完了、合体モードに以降出来ます)』 「おお、おおっ!?今度は……翼の生えた、鎧……“Valkyrja”!?」 「ふふ……その名前を覚えていてもらえるのは、光栄ですの♪」 盾と槍に騎士と使い魔、そして鎧と武器……様々な姿に変じる絡繰りこそ アルファルが“魔女の箒(ブルーム)”のコードネームを持つ所以であり、 フィオナ達の存在意義でもあり、わたし達が使うべき最新の武器ですの! こうして“Valkyrja”の姿を受け継いだアーマーと翼に変じる事からも、 それは分かりますの。そして、手には“魔剣”ライナスト。完璧ですの♪ 「この姿をわたしが取ったなら……もう負けはありませんのッ!」 「なんのこれしきっ!この狛恵!正々堂々、参りますッ!!」 「いざ、受けて立ちますのッ!!!」 ──────今こそ戦乙女を越える時、ですの! 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/dotcom/pages/136.html
Wikiを触り始めてあれれ?なこととかのメモ。 Wikiについての最初の記事 Wikiはじめました? 「Wiki」を含む記事 Wikiタグ Wikiを含む記事一覧 Wiki記事 タグ一覧ページを改造 リンククリック時に別窓に表示したい リンク元の一覧を表示したいの。 ロリポップのレンタルサーバーに置きたいの 最終更新日時を表示したいの 編集/行頭に引用符をいれる方法。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1412.html
そして姫を護る、神竜へ(前半) 奇妙な住人が増え、数日。私・槇野晶は日々彼女らのアップトゥデートに 追われていた……ロッテ達“妹”を護る竜、“プルマージュ”の三機だ。 “アルファル”と同じくぷちマスィーンズの超AIを使用した彼女らには 宵闇を翔ける者“星龍姫(ライナー)”という称号まで与えた物の、難題が 山積していた。見るがいい、今日も作業台の上で皆の挑戦が続いている! 「ほら、大丈夫。飛べますの♪ゆっくり羽ばたいて~……わ、わわっ!」 『キュ、キュィ……ッ』 「……大丈夫ですの~、わたしが側にいますの。それとも重いですの?」 『キュイ、キュィッ!?』 「有り難うですの♪でも、困りましたの。怖がってばかりじゃ、ね……」 『キュイィィ……』 そう、ロッテの“霜天龍ウィブリオ”からしてコレだ。何をやるにも怯え 自信の無さを露呈させている。無論の事、戦闘意欲など望むべくもない。 超AIのデータを書き換えて調整する方法も無論あり、多少はバイアスを 掛けているのだが……根治療法という程の改竄をするのは理念に反した。 神姫がダメで彼女らなら出来る、というだけの論拠を私は持たぬのでな? 「はいドゥドゥ……とっと、落ちついてファフナーっ!?きゃあっ!」 『グルオオンッ!グオ、グオォッ!!』 「よ、いしょっ!ま、マイスター今日もロデオ大会ですかあたし!?」 「……ううむ、こちらは正反対か。戦闘意欲は実に旺盛で良いのだが」 「で、でもこれじゃあたしの身が持ちませんよ~?!ま、待ってッ!」 『グァァァァーッ!』 アルマは、必死に付属の手綱とジョイントされた自分の下肢を駆使して “灼地龍ファフナー”の制御を行っていた。だが、彼女をもってしても やんちゃで暴れん坊なファフナーの調教に手間取っている。戦闘意欲は 旺盛でパワーもあるのだが、主の意思を汲まぬのでは少々不安が残る。 しかも実践では、手綱がない。ジョイントされた己の足と意思だけで、 この“竜”を操らねばならん。その理由か?もうすぐ出来上がる所だ。 「で、こっちも……どうやら相変わらずの様だな、クララや……むう」 『クル、クルクルッ♪』 「……みたいだよ。よく言う事は聞くんだけど、聞き過ぎ……かな?」 『クル?』 「リンドルム、ボクを慕うのは嬉しいんだよ……でも集中もしてね?」 『クルルルッ♪』 一方、クララの“樹海龍リンドルム”。こちらは一見すると彼女の意思を 聞いてはいる。だが『聞くだけ』で汲んではいない。“甘えたい”という その一心が優先してしまい、どうも与えられた命令の遂行率が低いのだ。 乗りこなす、という一点で言えば問題ないのだが。肝心な所での挙動には 大きく疑問が残るだろう。この通り三匹とも、欠点を抱えている有様だ。 「欠点がある事自体は否定せんのだが、己の役目が果たせぬのは……な」 「生まれたてではしょうがないですの♪でも、何か転機も欲しいですの」 「そ、そうですね……そろそろ、あたしボロボロになりそうですし……」 「……大丈夫なのかな、アルマお姉ちゃん?ショック療法も、必要かも」 「知恵がありますのクララちゃん?良ければ、聞かせて下さいですの♪」 バッテリーを過度に消耗して疲労困憊気味のアルマを支えつつ、クララが 何か思案を巡らせる。彼女としても、現状の打開を望んでいるらしいな。 程なく何かが閃いたのか、クララを中心として三姉妹で円陣が組まれた。 私はそれを信じ、とりあえず己に出来る事……新装備のお披露目を行う。 それは補助アーマー“シルフィード”の強化用服飾と、幾つかの武装だ。 「密談が終わったのならば、これを装着してみてくれ。残りのパーツだ」 「えっと、これは……この“シルフィード”に重ね着する部分鎧です?」 「そうだ。お前達なら分かるだろうが、“レーラズ”では些か大仰でな」 「で、こっちは……盾と槍、なのかな?なんだか形状が異なるけど……」 「よく見ると銃とか杖ですの~……マイスター、わたし達専用ですの?」 私は大きく肯く。三姉妹統一の武装という方向性は、“アルファル”で 試行した。ならば今度は真逆!個々の得意分野を活かす方向で、全てを チョイスしたのだ。量産・商品化する際の実験データを取る意味でも、 三姉妹の新たな戦い方を模索する意味でも、価値のある試みであろう。 「長柄武器の方が“センチュリオン”、盾は“ティンクルスター”だ!」 「この盾、さりげなく変形機構やビームシールドが仕込んでありますね」 「携行型故に出力は控えめだが、個人用防御兵装としては上等だろう?」 「……うん。“マビノギオン”がない今回は、これでも頼りになるもん」 補助武装として位置づけた装備だが、“妹”達は気に入った様だ。有無。 ……そう、あくまで重量級ランクでのメインウェポンはこの“竜”達だ! どうしてもデビュー戦までに、彼女らには一皮剥けてもらわねばならん。 という訳で私は用意した新装備を神姫達に着せつつ、クララの“秘策”に 期待する事としたのだ……こら、着替えを覗くなッ!あっちを向けッ!? 「よし、では“セイクレール”も持っていき着替えるのだ。そして……」 「はいですの♪引き続き、“プルマージュ”の皆を躾ていきますのっ!」 『グォォン……』 ──────貴女達の心に、何が秘められているのかな。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1622.html
ただその翼は、姫を解き放つ為に(その二) ──幕は切って堕ちる、羽は舞い散り焔となる。それは、ボクらが彼女を 受け入れる為の“儀式”。大切な人の願いを叶える為に、捧げる“舞”。 迷いはある。けど、絶対叶えてあげたい。そしてその先に、ボクの──。 第三節:決闘 ボクらは、彼女の内に秘められた殺気を殻の肌で感じ取るんだよ。そう、 同じMMSとして……ボク・クララとお姉ちゃん達には、誰よりも分かる。 けれど憎悪の果てにある暖かい光を抱きしめる為なら、恐がれないもん。 「……本気ね?もし負けたら、アンタだけじゃない。そっちの神姫も」 「遠慮無く殺ってくださいですの。マイスターを喪えばどの道、ね?」 「あたし達は生きられませんから……ならせめて一緒に滅びたいです」 「ボクらは、死を畏れない。一緒にいられない事が、恐ろしいんだよ」 そう。自分を呪い続けているロキちゃんを、助け出す。これが、大事な “姉”の願いならば……“妹”のボクらは、それを叶えたい。本当は、 他に“願い”があるもん。でも、今はこれが一番大切な事だから……! 「……変な連中ね、貴女達って。こんな関係、今まで見た事もないわ」 「これが性分でな?可笑しいとは自分達でも思っているのだ、見逃せ」 「ふん。まぁ、貴女達を殺せば全部終わるのよ!さっ、どう戦うの?」 だから、ボクらは彼女をトレーニングマシンへと案内する。そこにはもう ボクらの“相棒”が装填されているんだよ。後は、四人で中に入るだけ。 その先にあるのが、ボクらの演舞場。皆で踊る為の、ステージなんだよ。 『──基礎レギュレーション違反の疑いがあります。続行しますか?』 「続けろ。今だけは、公式のレギュレーションなど関係ないのだ……」 『──了解。最適なステージをランダムに選定します……準備OK!』 筐体に入って程なく、無粋なエラーメッセージが聞こえてくるけど…… それも一瞬。ボクらの意識は、用意されたスポットライトの元へ一斉に 導かれていくんだよ……見えてきたのは、果ての見えない一面の花畑。 喩えるなら、そこは“楽園”。皆が望んで止まない物の、象徴だもん。 『楽園への扉は開かれた。後はアルマ・ロッテ、クララ。お前達次第だ』 「分かってます、マイスター……さぁ、ロキちゃん!」 「お互いの意地と想いを賭けた“決闘”を、始めるんだよ」 「こちらは何時でもいけますの!さぁ、何処からでも……!」 「……目障りな光景ね。すぐに終わらせて、出る事にするわッ!」 花吹雪の中で聞こえる、憎悪に満ちたロキちゃんの声。皆が声のする方を 見ると……無骨で歪な躯からは想像も付かない、恐ろしい程のスピードで 黒い神姫が迫ってきたんだよ!間違いない、彼女が……“道化神”ロキ! 「早い!?……皆、戦闘開始ですのッ!!」 『はいっ!!』 『“W.I.N.G.S.”……Execution!』 ボクらは咄嗟に、己の身を戦装束へと換える。紅・蒼・翠のドレスを纏い “魔剣”を抜き払って、黒い旋風に備えるんだよ。対する彼女は、両手に 血塗れのマチェットを持って……アルマお姉ちゃんへと、斬りかかるッ! 「まずは、人間のマネなんかしてたアンタからね……!」 「ッ……!!?アルマって名前が有ります!く、これは……」 「幾人の肉を切ったリーバーマチェット、何時まで受けきれる?!」 しかしボクのコライセル以外は、破損に対して圧倒的なアドバンテージを 誇る魔剣。幾ら彼女が打ち込んでも、エルテリア自体は決して砕けない。 その隙を突き、アルマお姉ちゃんは腰のヨルムンガルドを抜いたんだよ! 「黙って受けてばかりじゃない、ですよッ!……え、避けたッ!?」 「勝手に動くのね、腰の剣は……でも、遅いわ!止まって見えるわよ!」 「……速いですの。さっきの打ち込みといい、今の身のこなしといい」 でも同時に蠢いた数本の刃を、彼女はいとも簡単に避けてしまう。そう、 ロキちゃんの特性をロッテお姉ちゃんは見抜いたんだよ……即ちそれは、 “超高速戦闘術”。反射能力か、演算能力か。ジェネレータの出力か…… 或いは技術と経験に裏打ちされた、それら全ての統合か。兎も角、彼女の 運動性能は、並みの神姫を軽く凌駕するんだよ。このままだと……ッ!! 「これじゃ一気に押し潰されるんだよ、皆。総力を……!」 「は、はいっ!モリアン!!」 『Yes,sir/No problem/Ja(支援します)』 「ッ!?あれ……何?支援兵器!?」 「そうですの、わたし達の騎士にして……鎧ッ!」 力を出し惜しみしている余裕は、ないんだよ。だからボクらは、この身に “アルファル”を纏う。ビームガトリングの支援砲火で隙を作り、一瞬で “アーマード・フィギュア”と化した彼女らを装着するもん……これで、 外見上の武装では、互角。でも、正直ロキちゃんのスペックは……不明。 「へぇ、面白い玩具持ってるのね……でも、アタシには通じないわ!」 「それはやってみなきゃ、わかりませんよ?では、行きますっ!」 「くっ!?……きゃぅっ!?」 「龍神剣エルジェネリス!一文字斬りッ!!」 それでも、畏れずに踏み込んでいくのはアルマお姉ちゃん。エルテリアの 力で刃を纏め上げ、巨大剣としてロキちゃんに斬りかかっていくんだよ! 轟音と旋風で、一瞬彼女は怯んだけど……でも、それは本当に一瞬の事。 「く!?こんなの、喰らってられないわ……せあああッ!!」 「かわした……え、きゃああっ!」 「……アルマお姉ちゃん、大丈夫ッ!?」 軽く身をよじって刃を避けたかと思うと、彼女は無骨な右腕を突き込んで アルマお姉ちゃんを吹き飛ばしたんだよ!爆音が続いた事から判断して、 衝撃波を纏った拳……言ってみれば、“ソニックバイト”の一撃だもん! 「ど、どうにか剣を盾にして凌ぎました……気を付けて下さい!」 「ハッタリだけじゃないのね。いいわ、本気で『コロシテアゲル』!」 「ッ……来ますの、皆。構えてっ!」 ──────その拳で傷つくのは……自分の手、じゃないのかな? 第四節:猛襲 一発の拳でアルマお姉ちゃんを吹き飛ばしたロキちゃん。彼女は、狙いを ロッテお姉ちゃんに定めたみたいなんだよ。フルフェイスの奥に光った、 紫色の眼光がその証。それは“憎悪”その物……皆の背筋が凍るんだよ。 「アンタが、皆の中核なのね!そこから潰せば、速いわ……!!」 「そうはいきませんの!わたしだって、精一杯頑張りますの……!」 「ふん。“アーマメントエクストレミティ”に、耐えられるかしら!」 『武装たる四肢』というコードネーム通り、彼女の手足へと埋め込まれた 無骨な機械が唸りを上げ始めたんだよ。それはまるで、獣の咆吼にも似て 恐怖を呼び起こさせるもん。そして、背中の翼が開いて……急速上昇ッ! 「そうね、次は……左手のコレ、受けてみる!?せいっ!!」 「速……きゃ、あああああぁぁあっ!?」 「ロッテちゃん!?あれは、スタンナックル……!」 地上・空中を問わない圧倒的なスピードを以て、上空へ舞い上がっていた ロッテお姉ちゃんを捕まえるロキちゃん。その左手からは、物凄い電流が 流れたんだよ。だけどこれならロッテお姉ちゃんにも、勝機はあるもん! 「か、雷なら……こっちも、負けてませんのッ!!“疾く放て”!」 「ぐぁうっ!?痛……仮想空間だと、痛みを覚えるのね。アタシでも」 咄嗟にライナストで空を薙ぎ払い、電撃を産み出したロッテお姉ちゃん。 その電磁嵐にロキちゃんも巻き込まれて、ダメージが及ぶんだよ。でも! 「興味はあるけど、何時までもくっついてられないわ!そぉれっ!!」 「きゃ、きゃぁあああああっ!?う、ぅぅっ……!」 ロキちゃんは掴んでいた左腕で、ロッテお姉ちゃんを地へと投げ降ろす。 土煙と花弁が辺りを覆い尽くし、蒼い天使が叩き落とされたんだよ……! 幸い、ダメージ量は少ないけど……この隙を、見逃してはくれないもん。 「まずは一人、頂くわよッ!!はぁぁぁあっ!!!」 「……させないよ、ロキちゃんッ!!」 「きゃんっ!?な、何よコレ……ワイヤー!?」 「“ヘル”。ボクの師がくれた武器だよ……そしてっ!」 「何よコレ、光の剣……!?う、うああっ!?」 案の定、ロッテお姉ちゃんを踏みつぶそうとしてロキちゃんは急降下…… ボクはそれを、咄嗟にワイヤーブレードで絡め取って阻止するんだよッ! 更にコライセルの“力場”で、強かにロキちゃんを打ち据える。これで、 距離は稼げるもん……但し、彼女の超スピードだと効果は薄めだけどね? 「痛ぁ……そうね、一対三の決闘だもの。油断は出来ないわよね」 「それはこっちの台詞ですの。単体なのに、これだけ強力……」 「そうよ!過去が唯一アタシに遺したのが、この要らない力ッ!!」 「……ッ!?皆、飛んで!爆弾が来るんだよ!」 ロキちゃんは腰から光球を取りだして、ボクらの中心へと投げ込んだ。 それは瞬時に炸裂して、膨大な爆風を撒き散らす。そう、これは彼女が “爆破事件”で使っていた、あの“プラズマ・ボマー”なんだよ……! 強い風に巻き込まれつつも、ボクらはどうにか直撃を免れる。でもッ! 「堕ちなさい、カトンボ!そらそら、そらあっ!」 「きゃっ!?ぷ、プラズマ弾!?」 「あうっ!!熱……あれ、見て下さい!バックパックが!」 「背中の三角形部分が、分離してプラズマライフルに……!?」 それで逃がしてくれる程、ロキちゃんは素人でもないし甘くもないもん。 己の背に搭載されていたプラズマライフルで、正確にボクら三人を撃つ。 それでボクらが怯んだ隙を突き、今度は腰の拳銃……これもプラズマ式の 弾を撃つんだよ……で、今度は空中戦を仕掛けてきたもん。拙い、かな? 「そらそらそらぁ、そらそらそらぁっ!!生温いわよッ!!!」 「う、ううっ!?このままじゃ“アルファル”の防御を貫かれますの!」 「痛ッ……どうします!?ラッシュを止めないと、押し切られますよ」 「このハイスピード、“プルマージュ”達の飛び込む隙も無いもん……」 その猛襲は凡そ比類が無くて、反撃の糸口を見出す事も困難。でも…… 反撃が今出来る存在は、ボクだけ。ボクの“魔術”なら、間隙を縫って 奇襲攻撃が出来る!判断が出来てからは、とても速く動けたんだよッ。 「でも、隙を作る!皆……ボクが、やるよ。“アクセプト!”」 『Ja(ロック解除。“アクセプト・フィギュア”承認します)』 「クララちゃん!?……分かりましたの、時間を稼ぎますのっ!!」 「お願いしますね?せいやぁああーっ!!」 「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前……“鬼手”よ、我が手にッ!」 「え……な、何よアレ?!鎧が、馬鹿みたいに大きな腕に……!?」 「ブルームハンガー“メギンギョルド”……力を律する腕だよ」 ボクの鎧が姿を変え、鬼の様な腕を形取る。そして、弱まった防護性能を 補う為に、ボクの躯を白い装束が覆い尽くす。これでコライセルの全力を 引き出して……反撃の糸口とする為の、渾身の一撃を繰り出すんだよッ! 「──彼方の城より疾く来たれ剣王の宝具よ、超越せし力を顕現せよ!」 「ッ!?ひ、非常識よ!何もない空間から、剣が……く、きゃうっ!?」 「“スペリオル・イグナイト”。仮想空間を侵蝕する“魔術”なんだよ」 「ヴァーチャルフィールドを、侵蝕ッ!?……きゃああっ!?」 ボクは、全神経を集中して空間を書き換え……光の刃を幾重にも産み出し ロキちゃんを切り裂く。その隙を狙って、アルマお姉ちゃんが刃を纏って 突撃を敢行……そのまま、雪崩れ込む様にラッシュを仕掛けるんだよッ! 「今です、ロッテちゃん!」 「はいですの!」 『──“アクセプトッ!!”』 『Yes,sir/No problem(“アクセプト・フィギュア”承認します)』 「これは……鳥!?それにあっちは、剣!?こ、このっ!?」 アルマお姉ちゃんは零距離でアルファルを怪鳥“シームルグ”に変形、 鳥の足でロキちゃんを鷲掴みにして、地面に叩き付けていくんだよ…… そこへ追い打ちを掛ける様に、ロッテお姉ちゃんが“カラドボルグ”の 中から引き出したのは、限界まで雷をチャージした魔剣ライナストッ! 「3……2、1!今ですよっ!!」 「穿て、神の雷炎!夜闇を焼き尽くす、暁の明光となれッ!!」 「ぎゃう!?し、まった──────」 「射抜けライナスト!“プロミネンス・ボルト”ッ!!!」 「きゃあああぁぁぁああああっ!!」 迸る雷の矢は、落着したロキちゃんに向かい真っ直ぐ堕ちていくんだよ! そして、花吹雪を散らす爆音と暴風が辺りを包み込んで……暫しの静寂。 でも未だに、ジャッジシステムは決着を告げないもん。予想通り、彼女は 爆炎の中から幽鬼の様に起きあがってきたんだよ。恐るべき言葉と共に! 「ふ、ふふふ……あはははは!そう、仮想空間の侵蝕なのね!?」 「ッ……何を、言ってるのかな?ロキちゃん……」 「そう、ここなら……ここなら嫌な世界を換えていけるのねッ!!」 「ロッテちゃん、体勢を立て直してください!様子が……」 「はいですの。ひょっとして、拙い事になりましたの……!?」 「ふふふふふふ、あはははははは!アハハハハハハハハハハハッ!!」 ──────ボクは、見せてはいけない物を見せちゃったのかな……? 第五節:進化 狂った様な哄笑を、クレーターの直中で挙げているロキちゃん。その顔は ずっと“魔術”で反撃の基点を作った、ボクの方を見ているんだよ……。 その笑い声と気配に、ボクは慣れ親しんだ……でも異質な感覚を覚える。 「……この気配、ひょっとして!?皆、気を付けてほしいもん!」 「そう、これなら……『アタシにもできる』わ!!」 そう叫んだロキちゃんの足下に産まれたのは、三角形の環状魔法陣!淡く 紫色に輝くそれは、ボクの使う“魔術”とは完全に管理系統が異なる事を 意味しているもん……でも何の補助も無しに使うのは、正直計算外だよ。 「ダメだよ、ロキちゃん!自分の超AIだけで処理しようとしたら!」 「そうですの!下手にやったら、オーバーヒートしちゃいますのッ!!」 「と、とりあえず……“プルマージュ”、来てくださいッ!!」 『グルォォンッ!!』 『キュイッ!!』 『クルルゥッ!!』 アルマお姉ちゃんが、不測の事態に備えて龍を呼び寄せる。幸いな事に、 笑い続けているロキちゃんはそれを阻止する事もなく、ボクらはしっかり 騎乗する事が出来たんだよ。でも……彼女の憎悪は、いよいよ深まった。 「アハハハハハ!なんて、アタシがこんなに速いか考えないのッ!?」 「まさか……躯を制御する為の、膨大な演算能力を……“魔術”用に?」 「頭が痛いわ!胸が痛いわッ!でも、この力なら復讐できるのよ!!」 ただテロを繰り返すよりも、もっと恐ろしい。『情報を制御する力』。 それによる“復讐”というアイデアが、きっとロキちゃんの頭にある。 ここで彼女を止められなかったら……末路は、より凄惨になるんだよ! ボクらはボク・クララの蓄積したノウハウを知る故に、彼女を止める。 「ダメです、いくら情報処理に特化しても限界があるんですよ!?」 「補助装置も無く“魔術”を使い続けたら、負荷が掛かりますのッ!」 「焼き付いたエンジンは、廃品回収行き……二度と復元できないもん!」 だってこれは、単にロキちゃんの自滅を早める行為だよ。“ゲヒルン”で 情報処理能力が高くなっているボクでさえ、“魔術”のマニュアル実行は 苦労する。それを、ヴァーチャルフィールド以外の領域で永続的に行えば 超AIに掛かる負荷は、深刻なダメージを及ぼす程のレベルになるもん。 しかも彼女には、補助演算装置もコライセルの様なデバイスもない……! 「それがどうしたのよ!アタシなんて所詮使い捨てのガラクタだもの!」 「違いますの!ロキちゃんは、わたし達の大事な“妹”ですの!!」 「同じ殻の躯を持つ、“姉妹”なんです!大事にしていきたいんです!」 「だから、それだけは止めて……ロキちゃんが、壊れちゃうんだよ!」 「アタシなんて、壊れても良いの!『ミナゴロシにしてあげる』ッ!!」 でも力に魅せられてしまったロキちゃんには、その言葉はもう届かない。 環状魔法陣から湧き上がったどす黒いオーラが彼女の全身を包み、新たな 装甲外套として固定される。辺りには何時の間にか漆黒の羽が舞い散り、 更に……ロキちゃんの周囲には、炎の龍が巻きつき始めたんだよ……!! 「それじゃ、まずは腕馴らしね……さぁ、“終末の焔”よッ!!」 「え?!炎の龍が、渦を巻いていきます……あれは、一体?!」 「いけない、あれで辺り一帯を薙ぎ払うつもりなんだよ!」 「拙いですの!避け──────」 「遅いわッ!!闇の輝きに魅せられながら……死ねぇッ!!!」 ロキちゃんは己を覆い尽くす炎の龍を、連獅子の様に勢いよく振り回し 漆黒の渦潮として、花畑を呑み込み始めたんだよ……これに巻かれたら 一溜まりもない……でもその時、ボクらの予想外な事が起きたんだよ! 『Yes,sir/No problem/Ja(ここは、お任せ下さい)』 「フィオナ!?ダメですの、前に出たら只じゃすみませんの!?」 『キュ……キュィッ!!』 「ウィブリオ……!?きゃ、あああああああっ!!」 ロッテお姉ちゃんを庇う様にして、分離した“アルファル”のフィオナが 突撃していって……その隙に、“プルマージュ”のウィブリオが己の主を 護る様にして強制的に合体したんだよ。“ティターン・シルエット”へと 変形するのと、強大な爆風が巻き起こるのはほぼ同時。並行して、ボクと アルマお姉ちゃんも、自分の龍と騎士に護られて爆風を凌ぎきるよ……! 「ぅ、う……そんな、モリアン!モリアン!?」 「……アルサス、彼処で横たわってるんだよ。こんな事……」 「うぅ……こうなったら、もう意地でも止めますの!!」 でも、ボクらを庇った鋼鉄の騎士達は……焼け焦げた大地で無惨な姿を 晒していたもん。無事だろうけど、この戦いではもう宛てに出来ない。 この身を纏う“龍の鎧”で、なんとしてもロキちゃんを止めるんだよ! 「……止める?何を言ってるの、貴女達もここで砕け散るのよ!」 「させませんの。大事な皆を、やらせはしませんの……!!」 ──────もう退く事は出来ない、倒れる事も赦されないよ……! 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1179.html
* クラブハンドVS双子神姫 ~真夏の大決戦!ポロリはないよ!!~ ここはミヤコン様と 小山田喜久子様の コラボ小説置き場になります。 砂漠の話を更新しました。 残す刃それぞれのエピローグのみ・・・。 双子神姫サイド クラブハンドサイド 双子神姫側・プロローグ クラブハンド側・プロローグ | | |_________」 | ↓ 対談&説明 クラブハンドサイド・対談&説明 バトルスタート | ___⊥___ | | | | ↓ ↓ ↓ ↓ 草原 砂漠 海 街 | | | | | | | | |__⊥_ ⊥_ 」 「 | ↓ バトルエンド | ∟______ | / \ / \ / \ / \ | | ↓ ↓ 双子神姫サイド クラブハンドサイド 双子神姫側・エピローグ クラブハンド側・エピローグ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1815.html
戦うことを忘れた武装神姫 - type_S -08 楽屋 イオ「こんばんは。今回のお話ではリペイント版として登場いたしました、イオです。あ、塗色ですか?これ、絵の具なんです。」 リゼ「マスターに恋する神姫ってのはよくいるけれどねー。ここまで歪んだ愛を『求める』神姫はそうそういないだろうねぇ。」 イオ「さすがの私も、今回の役は・・・もう二度とやりたくないですよ(苦笑」 リゼ「あはは、そういうと思ったよ。さすがはイオだ。」 イオ「・・・。何か引っかかりますが・・・」 リゼ(汗) イオ「まぁ、いいでしょう・・・ささ、夜も更けてまいりました。それでは・・・」 リゼ「おやすみ~。」 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/isshiki1993/pages/12.html
Wikiは一色が運営する、内輪ネタを展開するウィキです。